2015年11月11日水曜日

司法試験・倒産法対策

こんにちは。
今回は、司法試験の倒産法の対策についてです。

といっても、そこまで点数が高かったわけではないので、使用した教科書等とその使用法についてがメインになると思います。

1.基本書・教科書
 予備試験後司法試験まであまり時間がなかったため、全体的に、演習書をやりつつ、該当部分を読むという利用法でした。

 (1)山本克己編著「破産法・民事再生法概論」(商事法務、初版、2012年)
  授業の教科書として指定されて、使用しました。内容としては、かなりスタンダードだと思います。

 定義がしっかりと書かれています。また、簡潔な記述でありながら破産法・民事再生法の違いを理解しつつ制度の概要を押さえることができるようになっています。
  これを読んだうえで演習に進むということでも十分司法試験に対応できるのではないかなと思います。
  一方で、調べものをするという使い方には少し物足りないかな、と思います。


 (2)山本和彦ほか「倒産法概説」(有斐閣、第2版補訂版、2015年)
  (使用したのは第2版でしたが、補訂版が出版されたのでそちらをリンクしておきます)
  通読はせず、演習書であやふやだと感じた分野を読む、調べものをする、といった方法で使用しました。

  この本の特徴は、独自の章立てであることです。それが理解につながる部分もある一方で、調べものをするには慣れるまで時間がかかりました。
 また、一部かなり難しいところもある(というよりは、分量の問題で削ったために言葉足らずになっていると思われる部分がある)ので、書かれていることがすべて理解できなくてもあまり悩まないという視点も必要かなと思います。


 (3)松下淳一「民事再生法入門」(有斐閣、第2版、2014年)
  民事再生法の勉強のために、一読しました。

  書名は「入門」となっており、それほど分量も多くはないですが、これで十分司法試験に対応可能だと思います。破産法についての基本的理解を前提に、破産法との比較で民事再生法について解説しています(破産法と同じ規律の場合は省略されています)。


 (4)伊藤眞「破産法・民事再生法」(有斐閣、第3版、2014年)
   とても分厚いです。この分厚さからもわかるように、通読せず(出来ず)、調べものをするために使用しました。

   伊藤眞教授は破産法・民事再生法の大家ですし、重要な項目や、判例での決着がついていない分野については一読しておくのが良いと思います。
   これも演習をしつつ、理解があやしいと感じた部分を読むということになるかなと思います。

2.演習書
 演習書については、(1)~(3)の順で使用しました。

 (1)新保義隆「論文基本問題 倒産法80選」(早稲田経営出版、2010年)
   まず倒産法の答案の書き方・基礎知識を確認するために使用しました。
   使い方としては、問題を読んだ後、いきなり解答例を読み、そのなかで他の問題にも使えそうなものを下線をひいていく、というものでした。

   2010年のものなので、既に判例があるものについてそれとは異なる学説で解答していたりする部分もあり、他の本でセカンドオピニオンすることも必要ですが、全体的に非常に役立ちました。
   どういった部分が論点になるのか、という相場観を得るにはちょうどいい問題集だと思います。


 (2)「司法試験・論文過去問 倒産法 答案のトリセツ」(辰巳法律研究所、2010年)
  司法試験の過去問を知るために使用しました。
  解いてもらえればわかると思いますが、司法試験のうち最初数年はかなり問題が単純です(これは新司法試験開始数年は法改正から日がないことが理由かと思われます)。それゆえ、基本の確認になると思います。
   
  参考答案として上位答案だけでなく中位答案が載っている点がとても参考になります。どの程度書ければどの程度の得点ができるか、という感覚を得ておくことも司法試験の対策として有用なので。

  平成23年のものまでしかないので、改訂を待っていたのですが、趣旨規範ハンドブックとまとめたものとして「司法試験論文対策 1冊だけで倒産法―破産法・民事再生法」が出版されたので、しばらくはこの本の改訂として出されることはないのかな、と思います。


 (3)山本和彦編著「倒産法演習ノート―倒産法を楽しむ22問」(弘文堂、第2版、2012年)
  有名な演習書です。司法試験の過去問と並行して、解いていきました。
  最初は答案を作成していましたが、途中からは答案構成をして、解説を読む、という方法に変えました。
  基本的なものから、かなり難易度の高い問題まであるので、どうしても理解できないものは諦めるという視点も大事です。
  例えば否認権の行使の可否の解説などは、かなり整理されていて非常に役立ちました。

  解説の読み方としては、そこで引かれている判例については百選などで確認する(解説も読む)、参考文献として挙げられているものも論文は読む、という形で読んでいきました。

   この演習書が完璧できれば司法試験で合格点を十分得点できると思います。時間をかけてやる価値がある本だと思います。

3.判例集
 (1)伊藤眞・松下淳一編「倒産判例百選」(有斐閣、第5版、2013年)
   やはり、学習用の判例集ということではこれが定番だと思います。倒産法の百選は、学者だけでなく実務家の方も解説を書かれているという点が一つの特徴です。
   これは、倒産法は実務家と学者で勉強会がされることが多いことや、倒産法が実務によって動いてきたという点が大きいのではないかと思います。

  司法試験では判例から少し事情をかえて判例の射程を問うてくる問題が出題されることがあるので、解説まで読んで射程について理解しておくことが重要になります。その観点からも、百選は重要だと思います。
  (もっとも、筆者は時間がなく、全ての判例の解説を読むことなく試験を迎えてしまいましたが)


 (2)瀬戸英雄・山本和彦編「倒産判例インデックス」(商事法務、第3版、2014年)
  「こういう判例があった」という引っ掛かりを頭の中につくるための本です。
  事案の概要と判旨が中心で、解説はほとんどありません。それゆえ、この本のみで、判例の学習が十分だと言い切ることはできません。

  しかし、「こういった事案について、このような判旨の判例がある」ということの整理ができる本だと思います。また、参考文献へのリファレンスがしっかりしているので、より詳しく理解したければそちらを読めばよく、そこまで問題ではないかと思います。

  筆者は3月頃に、1日30個ずつ読んで1週間程度で読み終えましたが、もう少し早い段階で読んで何周かしておけば良かったと思います。

  とりあえずこの本で判例の基礎を押さえたうえで、重要な判決について百選で解説を読む、あるいは演習を重ねる、ということがこの本の使い方なのかなと思います。

4.その他
 (1)全国倒産処理弁護士ネットワーク編「論点解説 新破産法〈下〉」(金融財政事情研究会、初版、2005年)
  破産法の改正にあたり出版された、破産法の各論点について解説した本です。
  学者と実務家の方の論稿が掲載されています。
  
  これを購入したのは、「倒産法演習ノート―倒産法を楽しむ22問」の参考文献として挙げられていることが多く、一々コピーをするのが面倒になったからです。
  破産法改正時期の出版であり、改正当初の予想とは異なる運用になった部分もあるので注意が必要ではありますが、論点について整理がされていて、非常に参考になりました。

  また、改正の経緯や改正当時の議論を知ることが出来ます。こういった経緯・議論は、判例での条文解釈にも影響を与えるので、知っておくと役立つこともあります。
 
 (2)辰巳法律研究所「司法試験論文対策 1冊だけで倒産法―破産法・民事再生法」(2015年)
  趣旨規範ハンドブックと、過去問集を1冊にまとめたものです。
  まとめ用として利用しました。使い方は、演習書で理解が不十分だと思ったところを基本書等を読みつつ書き足しておく、という方法でした。

5.まとめ
 倒産法の試験対策として利用したのは大体以上です。
 これくらいをしっかりとやれば司法試験の合格点を得点することは十分可能だと思います。

2015年10月23日金曜日

司法試験合格への戦略(総論)・その2(司法試験の短答対策)

こんにちは。

今回は司法試験の短答の対策についてです。
短答の知識があると論文も伸びるので、論文→短答より、短答→論文の順で対策した方が良いと思い、まずは短答の対策から書くことにしました。

まず、前回の内容について確認しておきます。

前回は、司法試験に合格するにはどれくらいの点数が必要か、という点について確認しました。
そして、結論としては、短答で8割5分、論文で5割5分、を得点できるようにすれば十分合格圏内になる、ということでしたね。

そこで、今回は短答で8割5分を得点するためには、どうするか、というか、短答の勉強をどうするか、について書いていこうと思います。


ちなみに、筆者は今年(2015年)の司法試験では8割5分程度得点した、ということを前提に読んでもらえればと思います(今年は平均点が上がったという点も前提としてください)。

使用したのは、辰巳法律研究所の出している肢別本です。

肢別本〈1〉公法系憲法〈平成27年版〉
肢別本〈3〉民事系民法1 総則/物権〈平成27年版〉
肢別本〈4〉民事系民法2 債権/親族/相続/要件事実〈平成27年版〉
肢別本〈7〉刑事系刑法〈平成27年版〉


使い方については、平成24年の予備試験に合格された方のブログを参考に少しアレンジしました。
(こちら→http://ameblo.jp/takayo328/entry-11921743520.html)

簡単にまとめておくと

①1周目は解説を読んでいく。この際にキーワードにマーカーしておく。
②2周目はキーワードを中心に解説を読んでいく。
③3周目くらいから、問題を解いていく。ただし、分らなかったらすぐに解説を見る。
④4周目以降は③を繰り返す。

という方法です。
この方法のポイントは、最初に読むべきところを限定しておく、何度も繰り返す、という2点にあると思います。

先ほど述べたように、筆者はこの方法にいくつかアレンジを加えました。

まず、アンダーラインを引く作業については、筆者はキーワードだけマークというのがしっくりこなかったので、文章の核にだけアンダーラインを引くということをしていました。

例えば、「○○はAではなく、Bである」という解説がある場合には「Aではなく」というところは、BはAではない、ということをはっきりさせる役割を担っているだけで、「○○はBである」としても意味の中核は変わりませんよね。
そこで、この場合は、「○○は」と「Bである」というところだけにアンダーラインを引いていきました。
こうすると、次からはアンダーラインを引いてあるところだけを読んでいけばいいので、かなり時間の短縮になります。

もう一つは2色で引いていったことです。
司法試験の短答においては、判例知識(それも法廷意見なのかどうか)であるのか、それとも、学説・条文の知識であるのか、という点を区別しておくことが特に大事になります。
そこで、判例についてはピンク、学説・条文等の知識については赤でアンダーラインを引いて、常にこの区別を意識するようにしました。

ペンは消せるものを使っていました。何周かしているうちに不要な部分にアンダーラインを引いていると感じることがあるので、その際に修正がきく方が良いと思ったからです。
最後は、最初から全部やるのではなく、飛ばし飛ばしでやっていったことです。
これは、最初から全部をやると一周するのに時間がかかりすぎて、やる気が削がれるので、早めに終わる方法をとるという理由です。

まず1周目は、★マークがついている肢の解説にアンダーラインを引く作業をしていきました。

この★マークはわりと精度が高く、これをやっておけば周辺の肢の多くも解けるようになっているので、まず最初にやるべきはこれかなと思います。


次に2周目は、新司の肢の解説にアンダーラインを引く作業をしていきました。

これは、短答においては、旧司法試験と新司法試験では新司法試験の方が重要性が高いという判断からです。

司法試験の短答対策として、肢別本は使わず、過去問集だけで勉強している人もそれなりにいます。なので、過去問集には新司の過去問は掲載されていますが旧司の過去問は掲載されていないので、他の人に差をつけられないという観点からは、新司の肢が優先されるべきということです。
あと、これである程度新司の傾向も感覚的につかむことができると思います。

最後に3周目に、旧司の肢の解説にアンダーラインを引いていく作業をしました。
もし時間がないのであれば、これを飛ばすのも一つの方法だとは思います(まだ10月なので十分時間はあると思います)。
完全な感覚ですが、憲法の統治、民法契約各論、刑法総論の罪数、刑法各論、あたりは旧司の重要性が高い気がします。なので、本当に時間がないのであればこのあたりだけでも押さえてもらえればと思います(保証はできませんが)。


以上の3周で、オリジナル肢以外は押さえることができます。
オリジナル肢はやらなくても大丈夫だと思いますが、憲民刑の3科目のオリジナル肢は少ないので、やっておいて損はない、程度だと思います。

あとは、ひたすら回すだけです。
そして、5周目(全部アンダーラインを引いてから2周目)くらいから、間違えた肢にチェックを入れておき、直前はこれをメモ帳などにまとめて、試験当日の休み時間はメモ帳と六法だけをみていました。


司法試験の短答の対策としては、こんな感じです。

どうでしょうか。これくらいやれば司法試験の短答対策としては十分だと思いますし、かっちりした知識は論文試験にも活きてくると思います。

2015年10月15日木曜日

予備試験口述対策その5(直前期)

予備試験の論文式試験に合格された方、おめでとうございます。

直前期の過ごし方と、当日の流れについて書いておきます。参考になれば幸いです。

1.直前期の過ごし方
 直前期は、自分が条文に弱い(特に刑法・民法)ということを感じていたことから、刑法は各論部分の条文、民法は契約に関する部分、債権総論部分についての条文を確認していました。

 もちろん全部の条文を覚えるのは無理なので、売買契約であれば555条、というように、キーになる条文番号を覚えるようにしました。
 このあたりは、基本書やテキストを読みつつ、何度も出てくる条文を押さえるという形でいいと思います。

 他に、よく間違えるものや、覚えられないものについて、メモ用紙に箇条書きにしておき、これをホッチキスで留めて持ち運んでいました。
 
 やりかたはどうであれ、前日や当日の待機の間(場合によっては数時間待ちます)に確認すべきことをまとめておくことはしておいた方がいいと思います。

 あとは、前日にでも一度は試験会場までの道を下見しておくといいと思います。
 当日に迷うと焦りますし、初めて行く場所というのは緊張を生むのでそういう要素を一つでも減らしておくべきです。

2.当日の流れ
(1)試験会場まで
 まず、試験が午前か午後かという大きな分かれ目があるのですが、筆者はどちらも午後でした。

 午後開始ではあるのですが、遅刻が怖かったので、かなり早い時間帯に最寄の新浦安駅に着くスケジュールで動きました。
 そして、会場に近いジョナサンで時間をつぶしていました(わりと混みます)。

 他に時間がつぶせそうなところとして、伊藤塾が提供している場所、駅前のマクドナルドやドトールとかですかね。

(2)試験会場に到着
 開場時間になるまでは入れず、また、開場直後は待つので、少しあとに行くぐらいが良いかなと思います。

 試験会場には、当日配られるカバーを靴につけて、入ります。
 入場手続をする際に、当日の部屋と何番目に試験を受けるか、の指定を受けます。
 また、ここで通信機器を電源を切った上で封筒に入れることを求められます(普通の郵便用封筒です)。携帯が想定されているので、封筒は小さめのものを渡されますが、タブレット等も入る大きめのものも準備してくれているようなので申し出て、もらえばよいです。

(3)試験会場に到着してから終わりまで
 先ほど書いたように、入室する際に、○○室○○番、というふうに指定を受けるのですが、これに基づいて、待つ椅子が指定されます。
 椅子はパイプ椅子です。

 そこで、順番が来るまで待ち、呼び出されると、待合室に通されます。ここで、前の人の試験が終わるのを待ち、前の人が終わったら呼び出されて、試験室に入る、という流れです。

 午前に試験を受ける人は、試験が終わっても午後試験の人が入室するまで退場できないようですが、午後に受ける人は終わった人から試験場を出ることになります。

 これで、口述試験は終わりです。

 2つ付け加えておきます。
 まず、トイレですが、何人かまとめて行くことになります。手を挙げて試験官に来てもらい、そこで前で待つように指示を受けます。
 前に5人程度集まった時点で、試験官に連れられてトイレに向かいます。
 少しでも時間を無駄にしたくなければ、2人くらい立っているときに手を挙げるのが良いですが、まあそんなに変わりません。
 トイレに行っていていないときに呼び出しがかかっても、それで失格になることや順番が飛ばされることはなかったです。帰ってくるまで待ってくれていました。なので、どうしても行きたければ、もうすぐ呼び出されるかもという心配はせず、行けばよいと思います。

 次に、待ち時間ですが、だいたい、1人15分くらいを目安に進むのですが、試験官や受験者によっては、それよりも時間がかかる場合もあり、最後の方だと、かなりの時間待つことになります。
(一番最後だと終わるのが18時前になることもあるらしいです。)
 なので、何か食べるもの、飲むもの、を準備しておくべきです。

 こんな感じです。
 当日のこととかで疑問があれば可能な限り答えますので、コメントに質問してもらえればと思います。

2015年10月3日土曜日

司法試験合格への戦略(総論)・その1

こんにちは。

今回から、2、3回で、司法試験合格へ向けてどういう戦略を立てていくべきか、ということについて、書いていこうと思います。

今回は司法試験についての分析をしていこうと思います。

0.試験制度
 司法試験は基本7法と呼ばれる憲法・行政法・民法・商法・民訴法・刑法・民訴法と選択科目の8科目について論文式の試験が行われ、加えて憲法・民法・刑法の3科目について短答式の試験が行われます。

 論文式が各科目100点の計800点満点、短答式が各科目100点の計300点満点、でそれぞれ点数計算した後、論文式の点数を7/4倍したものに短答式の点数を足した点数によって合否が判定されます。
 (もちろん、論文短答ともに各科目の最低基準点を通過し、短答式は合計点数での最低基準点も通過することが前提です)

1.過去の合格最低点
 以上の試験制度を前提に、まずは過去10年間の合格最低点の推移を見てみましょう。

 平成18年:915点(短答+論文*7/4)
 平成19年:925点
 平成20年:940点
 平成21年:785点(短答/2+論文*7/4)
 平成22年:775点
 平成23年:765点
 平成24年:780点
 平成25年:780点
 平成26年:770点
 平成27年:835点(短答+論文*7/4)

 こんな感じです。合格点に大きな変動があるのは点数配分が変わった年ですね。
 
2.分析
 では、上記最低点をもとに、合格に必要な点数を計算してみましょう。

 ここでは、短答で8割の点数を取ることを前提とします。
 
 そうすると、論文で必要な点数(1400点満点)は

 平成18年:635点
 平成19年:645点
 平成20年:660点
 平成21年:645点
 平成22年:635点
 平成23年:625点
 平成24年:640点
 平成25年:640点
 平成26年:630点
 平成27年:695点

 となります。
 平成27年がやや高いものの、いずれの年も50パーセントの得点をすれば最低点をクリアできることがわかると思います。

あと、点数が比較的安定しているのですが、これは得点を偏差値みたいなものに変えてたものが得点となるからですね(詳しくは法務省HPで探してください)。

3.合格への戦略
 以上から、短答で8割の得点をすれば、論文は5割でなんとか合格できる、ということが言えます。

 もっとも、平成27年から短答が3科目になり、短答の得点率が上昇していること、加えて論文式の得点率もなぜか上昇していること、を踏まえると、少し余裕をもって目標を立てるべきです。

 そこで、

 短答で8割5分、論文で5割5分

 という得点を目標に試験への準備をすることを提案します。

 これであれば、総合点が918.75点となり、かなり余裕をもって最低点をクリアできるはずです。
順位としても1000番以内で入れるはずです。

 そして、先ほど触れたように、得点は調整が入ったものなので、 5割5分という得点目標は、ようは偏差値55あたりを取ることができれば達成です。
 ということは、平均より少しできる、という程度で十分に達成可能です。

 こう考えると、合格に必要なのは、難しいことができるようになることではなく、多くの人ができることを落とさない、ということになります。
 

4.終わりに
 以上みてきたところで、少しは合格への道筋が見えたでしょうか。

 よく合格者や講師が「基本が大事」ということを言うのは、5割5分取れるようになれば合格できる、すなわち、みんなが出来ることが出来るようになれば合格できる、という意味なのではないかな、と思います。

 今回はこのあたりで終わりです。次回は、「みんなが出来ること」を知るためにどうするか、それが出来るようになるにはどうすればよいか、ということについて書く予定です。

 ではでは。

2015年9月8日火曜日

予備試験口述対策その4(体験記)

こんにちは。

今回は、筆者が実際に行った口述対策についてです。
読んでもらえれば分かると思いますが、行き当たりばったり感があるので、もっと効率良く勉強できると思います。

1.合格発表前

 合格発表前は、口述対策らしい対策は一切していませんでした。
 
 一つには、論文試験の一週間後にローの期末試験があり、論文後になんとか乗り切ったところで燃え尽きたからです。
 もう一つは、本番で時間配分を失敗したりなどで、感触が良くなく、落ちたに決まっていると思っていたからです。

 ということで、8月9月は、新司法試験の過去問を2年分ほど解き、あとは解析民訴を少し読み進める、という程度しか勉強していませんでした。

2.合格発表直後
(1)模試
 論文の合格発表直後から、各予備校で口述模試の受付が始まります。
 筆者は、伊藤塾・辰巳・LECの3つの予備校の模試を受けました。
 三つ受けたことで、だいぶ慣れることができたと思います。やはり、口頭で答えるというのは慣れが必要なので、少なくとも一つは受けておいた方が良いと思います。

 模試を通じて、このままで落ちるなという危機感を抱けたことも、模試を受けたことの収穫でした。

(2)民事実務

・民法について
 民法については、司法研修所編「新問題研究要件事実」(以下、「新問研」)をまず一周読み直して復習しました。新問研は、ローの授業で使用していたので、一日ぐらいで読み終えたと思います。

 新問研では全く足りないので、司法研修所編「紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂」(以下、「紛争類型別」)を、大島眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」を参照しつつ、読み進めていきました。
 後から振り返ると、紛争類型別はやや古く、またレイアウト等が読みにくいことから、どちらかというと大島眞一先生のものをメインに据えて勉強して、確認程度に紛争類型別を読んでおく、というのでもよかったかなとは思います。
 紛争類型別はいらない、という方もいるかもしれませんが、これを使って勉強しているひとが一定数いることを考えると、すくなくとも何が書かれているか程度は把握しておくべきだとは思います。

・民事訴訟法について
 民事訴訟法については、択一の復習をメインにしました。

 具体的には、辰巳の肢別本の解説を、条文を逐一引きながら読み進めていくという形で進めていきました。これは結構時間がかかりますが、とてもいい勉強になったと思います。

 あとは、「民事裁判実務の基礎/刑事裁判実務の基礎」をよんでいました。民事実務については、特に第1章の民事裁判の流れが良い整理になると思います。

・民事執行法・民事保全法について
 民事執行法・民事保全法は、学部時代に少し勉強して以来、ほとんど勉強していなかったので、まずは大枠の復習から始めました。

 具体的には、辰巳の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈1〉民事実務基礎」で、概要を復習しました。
 
 民事執行法のポイントは、執行をするにはどういう手続をする必要があるか、債務名義になるのは何か、異議がある場合はどうなるのか(誰が/何について異議があるのかで、それぞれ条文が異なります)、あたりかなと思います。
 民事保全法は、どういうときにどういう保全をするのか、をまず押さえることが大事かなと思います。

 次に、「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」(和田吉弘)を読み進めていいきました。これを選んだ理由は(前にも書いた気がしますが)、単純に薄いからなので、他の本でも良いと思います。

(3)刑事実務
・刑法
 刑法については、まず、各論部分を復習しました。これは辰巳の肢別本を使いつつ、山口厚「刑法」(有斐閣)を読み進めていきました(使用していたのは第二版ですが、2015年2月に第三版がでました)。

 次に、総論については、しっかりと考え方を整理しておく必要性を感じたので、大塚裕史ほか「基本刑法I─総論」を読み直していきました。


・刑事訴訟法
 刑事訴訟法については、これも択一の復習をメインにしました。辰巳の肢別本を、条文を引きながら進めていく、という形です。

 最初は、辰巳の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈2〉刑事実務基礎」を読んでいたのですが、レイアウトがやや読みにくいと感じたので、司法研修所検察教官室編「検察講義案[平成24年版]」(2013年,法曹会)を購入し、読み進めていきました。

 検察講義案を読み進める、というのは、条文は水色、判例はピンク、定義は赤、趣旨はオレンジ、といった感じで下線をひきつつ読み進めていきました(他の本でも書き込みしてよいと感じたものは同じようにしました)。

 検察講義案は、定義等がしっかりしているので整理に向いていると思います。理由づけ等は省かれていることが多いので、読んでいて理由が説明できないと感じたら、自らが使っている基本書等のテキストに立ち戻って確認しました。

 あとは、宮村啓太「事例に学ぶ刑事弁護入門」(2012年,民事法研究会)を読み直しました。

3.直前期(試験1週間前)
(1)民事実務
 民事実務については、いままで勉強したものを復習するということをしていました。特に重点を置いたのは要件事実と民訴の条文です。
 
(2)刑事実務
 刑法については、前掲の山口教授の「刑法」、大塚教授ほか「基本刑法Ⅰ」で自分が不安に思うところを復習していました。また、百選で気になるところを読んでいました(承継的共犯や財産犯など)。

 刑事訴訟法については、辰巳のハンドブックには書かれているけど検察講義案には書かれていない部分を補足しつつ、再度検察講義案を読んでいきました。
 これは、他の受験生が知っているのに自分が知らないという可能性を減らしたかったのと、同じものを単に読み返すのは集中力が続かない、という二つの理由からです。

(3)弁護士倫理
 口述では弁護士倫理についての質問が一つはされるので、最後に詰め込みました。職務基本規程の条文が見つけられるだけで十分なので(現場でも、六法を見て探すように言われます)、これで足りるかと思います。
 具体的には、民事刑事ともに辰巳のハンドブックで確認するとともに、LECの「司法試験予備試験 新・論文の森 法律実務基礎」の弁護士倫理の部分の設問だけざっと見るという方法で詰め込みました。このLECの本は論文対策のときに使っていたので復習という立ち位置でした。

こうして、試験当日を迎えました。

2015年8月29日土曜日

予備試験口述対策その3(刑事実務)

こんにちは。

今回は、刑事実務の対策についてです。

0.総論
 刑事実務は刑法と刑事訴訟法について問われます(当たり前ですが)。
 刑法については、論文の問題を口頭で答えるような感じです。
 刑事訴訟法は、初年度や二年目あたりはわりと細かい手続についての問いがあったのですが、三年目あたりからはあまり細かい条文・規則は問われずにもう少し、理論的なところ(2014年であれば訴因変更の要否)といった点が問われるようになってきているように思います。

 あくまで個人的感想ですが、刑事訴訟法を含め口述試験は全体的に条文知識そのものよりも考え方に重点を置くようになってきていると思います。
 筆者は、わざわざ口述という形式で試験をするのに知識を問うても仕方がないと思うので、こういった流れが適切なのではないか、とは思います。

1.刑法
 以上を踏まえて、刑法の対策ですが、択一の復習と論文の復習をしておけば足りると思います。
 これだけだとざっくりしすぎているので、もう少し細かく書いておきます。

 まず、総論分野については、論文でも問われるような論点について、判例はどういう立場に立っているのか、それに対し学説はどう評価しているのか、というところを確認しておけばよいと思います。

 次に、各論分野ですが、各犯罪の構成要件の定義を押さえておくこと、罰条の振り分けが問題になるものについて区別基準を説明できるようになること、を中心に復習すればよいと思います。
 罰条の振り分けについてもう少し説明しておくと、例えば、殺人と傷害致死、横領と背任、不作為の殺人と保護責任者遺棄、といった隣り合う犯罪について、区別をどうするのか、を説明できるようにしておくことです。

 刑法についてはこんな感じですかね。あとは条数がすぐに出てくるようにしておくことですね。

2.刑事訴訟法
 刑事訴訟法については、いわゆる論点について、具体的事例における帰結まで説明できるように復習することがだと思います。ということで、自分が使っているテキストを復習することが対策になると思います。

 そのうえで、公判における手続については、択一の復習をしつつ、辰巳の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈2〉刑事実務基礎」がよいかなと思います。レイアウトが見づらかったり、ちょくちょく誤植があったりしますが。
 他には、司法研修所検察教官室編『検察講義案』(法曹會)を読んでみるのもいいと思います。これはどちらかというと知識をざっと確認するのに適した本だと思います。
 口述試験では、手続の細かい知識は問われない方向になりつつあるのだと推測しますが、そうはいっても、できることはしておくことが後悔しないために大事なので、きっちり条文知識を押さえておくのがおすすめです。

 さて、上で紹介したものを含め、多くの受験対策本がどちらかというと検察側からの視点で書かれているものが多いと思います。一方で、刑事実務科目を理解するには、弁護人側から見た刑事手続というものを知っておく必要があると思います。
 そこで、紹介したいのが、宮村啓太「事例に学ぶ刑事弁護入門―弁護方針完結の思考と実務」(民事法研究会)です。この本は、簡単な事例を基に刑事弁護の流れを説明しています。
 比較的薄い(1日もあれば読み終えられる量)でありながら内容は濃く、多くのことを得られると思います。

刑事実務については、このあたりで良いかと思います。
次回は、筆者が実際にした対策について書いていきたいとおもいます。

2015年8月28日金曜日

予備試験口述対策その2(民事実務)

今回は、予備試験口述試験の民事実務科目対策について述べていきます。
更新が遅くなりすみません。

0.総論
 民事実務科目で問われるのは、民法と民事訴訟法、民事執行法・民事保全法です。以下、それぞれの対策について述べていきます。
 といっても、基本は今までに勉強してきたことの復習で充分だとは思いますし、この辺りになると紹介する本なども他のブログ等と同じになってきますので、どれだけ意義があるのか不明ですが。


1.民法
 民法は、要件事実を中心に問われます。
 いろいろと批判はあるものの、やはり、法曹会の出している『新問題研究』が軸になるのかなと思います。暗記だけでは駄目だとは言われますが、新問研に出てくるものぐらいは条件反射的に出てくるようにしないと厳しいと思います。
 ただ新問研ではやや足りないですし、口述試験では要件事実の知識そのものよりも、なぜそれが請求原因事実になるのかといった理由が主に問われます。
 このあたりについては、大島眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」を読んでいくのがいいかなと思います。この本は、司法研修所説に沿って書かれていますし、分厚い見た目のわりに早く読み進むので、2,3日もあれば読み終わると思います。
 他の選択肢としては、岡口基一「要件事実マニュアル 第1巻(第4版)総論・民法1」「要件事実マニュアル 第2巻(第4版)民法2」あたりかなと思います。

   要件事実の学習では、なぜそれが請求原因事実/抗弁事実になるのか、というところを自分で説明できるようになることが重要です。
   例えば2014年では、譲受債権の行使に対し、債務者が譲渡禁止特約の抗弁を主張する際、譲受人が特約の存在について悪意であったことについて債務者が主張立証責任を負う理由について、説明を求められました。
  こういう問いに対し自信を持って答えられるようにしておけば、対策としては十分だと思います。

2.民事訴訟法
 民事訴訟法については、民事訴訟の手続の流れを把握しておくことが重要になると思います。
 重点的に勉強するとしたら、証拠のあたりだと思います。証拠の提出の仕方等については論文の勉強では出てこないので、このあたりについて、一度確認しておけば安心です。

 一つ書籍を挙げておくと「民事裁判実務の基礎/刑事裁判実務の基礎」は基本書等では手薄な手続に関するところについての記載が多いのでよいかな、と思います。著者はロースクールで派遣教官として実務科目を教えている方々なので、予備試験のレベルとしても適切ではないかと。


3.民事執行法・民事保全法
 民事執行・民事保全法については、それほど難しいことは聞かれていないのが過去問の傾向です。ここで言う「難しい」とは、いわゆる学説の分岐やその理由までは聞かれない、ということです。
 したがって、試験対策としては、「現状実務はどういった考えに沿って動いているか」を把握しておくことで十分だと思います。

 この観点からは、まず、前回の記事でも紹介した、辰巳法律研究所の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈1〉民事実務基礎」の民事執行法・民事保全法についての部分をざっと読み、理解し、それから一冊教科書・基本書を読む、という形で対策をすれば十分だと思います。

 教科書・基本書としては、
・和田吉弘「基礎からわかる民事執行法・民事保全法 第2版
・上原=長谷部=山本「民事執行・保全法 第4版 (有斐閣アルマ)
・中西=中島=八田「民事執行・民事保全法 (LEGAL QUEST)
のあたりから、読んでみて肌に合うものを使えばいいと思います。
 筆者は、和田先生のものを使用しましたが、一番薄いからという単純な理由です。とりあえず通説判例を押さえることが目的なので、定評のある本ならば問題ないと思います。



以上で今回の記事は終わりです。
刑事実務対策については早く更新できるように頑張ります。

2015年7月24日金曜日

予備試験口述対策その1(合格発表前にしておくべきこと)

こんにちは。

今回は、予備試験の口述試験について、論文試験後~合格発表にしておくとよいことについてです。

0.口述試験とは
(1)概要
  試験官と口頭のやりとりで法律の能力を判断される試験です。
  今年は10月24日、25日で行われるようですね。
  (法務省HP:http://www.moj.go.jp/content/001129987.pdf)
  例年、浦安にある研修所?で行われています。
  当日の流れ等はまた別の記事にしようと思います。

(2)過去問
 公式には発表されていません。
 各予備校が再現を集めていて、去年は某塾で論文合格発表後の口述模試を受験するともらえました。
 市販のものだと、

司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈1〉民事実務基礎
司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈2〉刑事実務基礎

に収録されています。
LECのものにも掲載されていますが、予備校の方で再構成したものになっていて臨場感がないので、辰巳のものがいいと思います。

(3)傾向
 過去問を見てもらえればわかると思うのですが、予備試験開始1年目、2年目あたりは、かなり細かい条文知識が問われていました。
 これが3年目あたりからやや傾向が変わり、「暗記のみではなく理解しているか」という点を測ろうという問い方になっているのではないかと思います。

(4)心構え(2015年9月3日追記)
 口述試験は、基準点を60点として、そこからの距離で点数が決まるという採点方法が採られています(司法試験予備試験口述試験の採点及び合否判定の実施方法・基準について)。
 そして、過去4年間、合格最低点は119点となっています。ということは、どちらの科目も基準点をとることができれば十分に合格できるということです。
 つまり、口述試験においては、みんなができることをできるようにしておく、ということが特に重要となってきます(これは試験全てに言えることですが)。

 それゆえ、試験対策は、みんなが使っているような本をしっかりと勉強する、という点を中心に勉強していけば落ちることはないと思います。
 


以下、対策を述べていこうと思います。

1.過去問を読む
 まずは敵を知るところからです。
 そして、過去問を見てもらえればわかると思うのですが、1年目2年目は民実・刑実ともに規則の条文番号まで問う、といった、わりと細かい知識が問われることが多かったのですが、3年目からはどちらかというと考え方を説明させることにシフトしているということがなんとなくわかると思います。

2.短答の復習
 細かい知識は問われないといっても、短答の知識は必須です。民法、民訴、刑法、刑訴の短答については9割取れる程度に勉強しておくとよいと思います。
 復習していると、論文で間違えたところを発見してつらくなることもありますが、論文が駄目だったのなら来年に向けて短答の勉強が必要なのですし、過去は変わらないのですから、やっておいた方がいいと思います。
 
 この際、論文試験の時にもらった予備試験用法文で逐一条文を確認しておくとよいです。というのは、口述では結論を回答したときに、根拠条文を訊かれることが多いので、根拠条文がパッと出てくる、あるいは、どのあたりにあるかだけでもわかる、ということが非常に大事になるからです。
 短答の問題集だけで勉強していると意外と根拠条文が出てこないということがあるので(私だけかもしれませんが)、上記のような勉強がおすすめです。

 とはいえ、筆者は落ちたことを確信していたので勉強していませんでした。合格発表後にこの記事を見ている人はそれでも間に合うので必死に勉強しましょう。
 ただ、やはり合格発表後に勉強を開始するとなると、非常に精神的につらいので、合格発表前にコツコツとやっておくことをお勧めします。

3.民実の対策
 民実の対策としては、要件事実、民事訴訟法、民事執行法・民事保全法あたりの勉強が中心となると思います。このうち、民事執行法・民事保全法はあまり勉強していないと思うので(これも私だけかもしれませんが笑)、比較的時間のあるこの時期に一通り勉強しておくとよいと思います。
 といっても、細かく勉強する必要はなく、どういった流れで執行が進むのか、どういった目的で何を保全するのか、といったことを大まかに把握できれば十分だとは思いますが。

 次の刑実の対策と、民実の対策の細かい部分についてはここに書くと長くなるので、別の記事にしようと思います。

4.刑実の対策
 刑実の対策は、短答の復習でわりと足りると思います。あとは自分が使っている基本書を読み直して、なぜ学説あるいは判例が見解を異にするのか、という点について自分の言葉で説明できるようにしておく、ということが一番の対策になると思います。

5.その他
 最後に、口述に向けた勉強以外のことについてです。
 
・選択科目の勉強
  学部生で司法試験の選択科目について何の勉強もしていない、というのであれば、プレップシリーズなどのうすい本で複数の科目を概観しておくといいと思います。口述試験の合格発表後、司法試験の出願をするまで1か月ほどしかなく、出願時に選択科目を決めないといけないので、この時期に情報を集めておくとよいと思います。

・ホテルの予約
 気が早いかもしれませんが、口述試験会場近くのホテルは早めに予約しておくべきです。というのも、口述試験が行われる時期は某ランドのハロウィンイベントと時期が被るため、近くのホテル自体、なかなか見つかりません。
 また、今年は台風が多い年みたいなので、最悪歩きかタクシーで行ける距離のホテルを今のうちに予約しておくといいと思います。
 たいていのホテルは直前でない限り無料でキャンセルできるので、合格発表前に予約しておいて損はないと思います。
 試験会場が過去と同じであるのならば、最寄はJRの新浦安駅になります。新浦安駅のホテルを予約するのがいいと思いますが、もし無理な場合は、JR京葉線、東京臨海高速鉄道のりんかい線の駅で探すといいと思います。候補としては、西船橋(京葉線)、大井町(りんかい線)、品川シーサイド(りんかい線)あたりかと。


なにかあればコメント欄にどうぞ。
ではでは。