2015年9月8日火曜日

予備試験口述対策その4(体験記)

こんにちは。

今回は、筆者が実際に行った口述対策についてです。
読んでもらえれば分かると思いますが、行き当たりばったり感があるので、もっと効率良く勉強できると思います。

1.合格発表前

 合格発表前は、口述対策らしい対策は一切していませんでした。
 
 一つには、論文試験の一週間後にローの期末試験があり、論文後になんとか乗り切ったところで燃え尽きたからです。
 もう一つは、本番で時間配分を失敗したりなどで、感触が良くなく、落ちたに決まっていると思っていたからです。

 ということで、8月9月は、新司法試験の過去問を2年分ほど解き、あとは解析民訴を少し読み進める、という程度しか勉強していませんでした。

2.合格発表直後
(1)模試
 論文の合格発表直後から、各予備校で口述模試の受付が始まります。
 筆者は、伊藤塾・辰巳・LECの3つの予備校の模試を受けました。
 三つ受けたことで、だいぶ慣れることができたと思います。やはり、口頭で答えるというのは慣れが必要なので、少なくとも一つは受けておいた方が良いと思います。

 模試を通じて、このままで落ちるなという危機感を抱けたことも、模試を受けたことの収穫でした。

(2)民事実務

・民法について
 民法については、司法研修所編「新問題研究要件事実」(以下、「新問研」)をまず一周読み直して復習しました。新問研は、ローの授業で使用していたので、一日ぐらいで読み終えたと思います。

 新問研では全く足りないので、司法研修所編「紛争類型別の要件事実 民事訴訟における攻撃防御の構造 改訂」(以下、「紛争類型別」)を、大島眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」を参照しつつ、読み進めていきました。
 後から振り返ると、紛争類型別はやや古く、またレイアウト等が読みにくいことから、どちらかというと大島眞一先生のものをメインに据えて勉強して、確認程度に紛争類型別を読んでおく、というのでもよかったかなとは思います。
 紛争類型別はいらない、という方もいるかもしれませんが、これを使って勉強しているひとが一定数いることを考えると、すくなくとも何が書かれているか程度は把握しておくべきだとは思います。

・民事訴訟法について
 民事訴訟法については、択一の復習をメインにしました。

 具体的には、辰巳の肢別本の解説を、条文を逐一引きながら読み進めていくという形で進めていきました。これは結構時間がかかりますが、とてもいい勉強になったと思います。

 あとは、「民事裁判実務の基礎/刑事裁判実務の基礎」をよんでいました。民事実務については、特に第1章の民事裁判の流れが良い整理になると思います。

・民事執行法・民事保全法について
 民事執行法・民事保全法は、学部時代に少し勉強して以来、ほとんど勉強していなかったので、まずは大枠の復習から始めました。

 具体的には、辰巳の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈1〉民事実務基礎」で、概要を復習しました。
 
 民事執行法のポイントは、執行をするにはどういう手続をする必要があるか、債務名義になるのは何か、異議がある場合はどうなるのか(誰が/何について異議があるのかで、それぞれ条文が異なります)、あたりかなと思います。
 民事保全法は、どういうときにどういう保全をするのか、をまず押さえることが大事かなと思います。

 次に、「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」(和田吉弘)を読み進めていいきました。これを選んだ理由は(前にも書いた気がしますが)、単純に薄いからなので、他の本でも良いと思います。

(3)刑事実務
・刑法
 刑法については、まず、各論部分を復習しました。これは辰巳の肢別本を使いつつ、山口厚「刑法」(有斐閣)を読み進めていきました(使用していたのは第二版ですが、2015年2月に第三版がでました)。

 次に、総論については、しっかりと考え方を整理しておく必要性を感じたので、大塚裕史ほか「基本刑法I─総論」を読み直していきました。


・刑事訴訟法
 刑事訴訟法については、これも択一の復習をメインにしました。辰巳の肢別本を、条文を引きながら進めていく、という形です。

 最初は、辰巳の「司法試験予備試験法律実務基礎科目ハンドブック〈2〉刑事実務基礎」を読んでいたのですが、レイアウトがやや読みにくいと感じたので、司法研修所検察教官室編「検察講義案[平成24年版]」(2013年,法曹会)を購入し、読み進めていきました。

 検察講義案を読み進める、というのは、条文は水色、判例はピンク、定義は赤、趣旨はオレンジ、といった感じで下線をひきつつ読み進めていきました(他の本でも書き込みしてよいと感じたものは同じようにしました)。

 検察講義案は、定義等がしっかりしているので整理に向いていると思います。理由づけ等は省かれていることが多いので、読んでいて理由が説明できないと感じたら、自らが使っている基本書等のテキストに立ち戻って確認しました。

 あとは、宮村啓太「事例に学ぶ刑事弁護入門」(2012年,民事法研究会)を読み直しました。

3.直前期(試験1週間前)
(1)民事実務
 民事実務については、いままで勉強したものを復習するということをしていました。特に重点を置いたのは要件事実と民訴の条文です。
 
(2)刑事実務
 刑法については、前掲の山口教授の「刑法」、大塚教授ほか「基本刑法Ⅰ」で自分が不安に思うところを復習していました。また、百選で気になるところを読んでいました(承継的共犯や財産犯など)。

 刑事訴訟法については、辰巳のハンドブックには書かれているけど検察講義案には書かれていない部分を補足しつつ、再度検察講義案を読んでいきました。
 これは、他の受験生が知っているのに自分が知らないという可能性を減らしたかったのと、同じものを単に読み返すのは集中力が続かない、という二つの理由からです。

(3)弁護士倫理
 口述では弁護士倫理についての質問が一つはされるので、最後に詰め込みました。職務基本規程の条文が見つけられるだけで十分なので(現場でも、六法を見て探すように言われます)、これで足りるかと思います。
 具体的には、民事刑事ともに辰巳のハンドブックで確認するとともに、LECの「司法試験予備試験 新・論文の森 法律実務基礎」の弁護士倫理の部分の設問だけざっと見るという方法で詰め込みました。このLECの本は論文対策のときに使っていたので復習という立ち位置でした。

こうして、試験当日を迎えました。

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